広告営業本部 リテール業界担当 アソシエイト アカウント マネージャー 久保寺佑季

株式会社インターワールドは、「SHOP JAPAN®」「Hill’s Collection ®」「exabody ®」などで知られるテレビショッピングを展開する株式会社オークローンマーケティングのグループ会社で、主にこれらのサービスの広告戦略企画や実施を担当しています。同社は早いタイミングからテレビショッピングと連動したウェブサイトを構築し、Google AdWords を使ったオンラインプロモーションをおこなってきました。近年では検索連動型広告に加え、Google ディスプレイ ネットワークへの広告配信を意欲的に実施しています。その取り組みについて、株式会社インターワールド 常務取締役 メディア本部長 村中智光氏、メディア本部 クロスメディア ディヴィジョン インターネットDR メディア セクションの山田正芳氏、児玉花菜子氏、福島絵里子氏にお話を伺いました。


ウェブ上の “コールセンター” として
テレビ視聴以外の顧客を獲得する新たなメディアとして
テレビショッピングを主体とし事業展開をする中で、ウェブサイトは大きく 2 つのポイントで同社では重要な位置づけとなっています。1 つはウェブ上の”コールセンター”として迷わず購入につなげるための位置づけ、もう 1 つは、テレビ視聴以外の顧客を獲得する新たなメディアとしての位置づけです。前者は、テレビショッピングを見た人を的確にサイトへ誘導するため、まさにウェブ上のコールセンター的な役割を果たしていますが、近年テレビショッピングは見ていないものの、商品に対するニーズが高い消費者をどのようにウェブサイトへ誘導するかが重要な戦略となっていました。

こうした事業のオンライン戦略と並行する形で、Google AdWords の活用範囲は広がっていきました。商品名などをダイレクトに検索する消費者に向け広告を表示する検索連動型広告から、商品に興味を持ってくれそうな消費者が多く集まるブログサイトや商品に近しいサイトなどが集まる Google ディスプレイ ネットワークへの広告掲載に投資範囲が拡大し、現在では AdWords のターゲティング手法であるリマーケティングを軸に効率的にコンバージョンを獲得しつつ、ディスプレイ広告の利用を拡大しています。

「弊社では、広告の掲載効果としてコンバージョンを重視しています。新しい施策についてトライ & エラーは繰り返すべきだと考えていますが、一般的に純広告は予算や最適化を考えると気軽にトライしづらいものです。その点、AdWords は、少額の予算でも新たな施策を実行しやすいので、まずはやってみようと思いました。」(村中氏)


リマーケティングを利用し効率的にコンバージョンを拡大
ディスプレイ広告の積極的な活用を進める中、同社は AdWords のリマーケティングを導入。そのきっかけは、一度ウェブサイトに訪れた消費者を如何に効率良くコンバージョンに結びつけることができるかを検討していたことでした。

[購入の段階ごとにリストを分けて生成し、リマーケティングで広告を配信]

「コールセンターにお電話いただいたお客様のうち、6 ~7 割が商品購入につながっていますが、ウェブサイトはそれに比べ低い数値となっています。興味を持ってウェブサイトにいらしてくださったのに、その機会を損失しているのです。一度サイトへ来訪したお客様へリマーケティングで再アプローチすることが、有効な方法ではないかと考えました。」(村中氏)

一度ウェブサイトに訪れたユーザーをリスト化し、リマーケティングで再度広告を配信した結果、CPA (獲得単価)は一般的なキーワードによる検索連動型広告の -88% に。商品名に関連するキーワード以外の一般キーワードにおける検索連動型広告の CPA に比べ、リマーケティングの CPA が大幅に低くなりました。また、費用対効果を見ながら徐々に配信先を広げていった結果、リマーケティングによる購入が昨年の3倍以上に増加し、投資対効果の高い新規顧客の獲得に成功しました。


インタレスト カテゴリ+リマーケティングで新規顧客のみをターゲットに
リマーケティングによる効率的なコンバージョン数の拡大をさらに加速すべく、同社が次に活用したのがインタレスト カテゴリでした。インタレスト カテゴリは、Google ディスプレイ ネットワーク全体のターゲット ユーザー層にアプローチできるターゲティング手法で、予め選択したカテゴリ(自動車ファン、スポーツファン、旅行ファンなど)に関心があると思われるユーザーに対して広告が表示される機能です。同社はこの機能を使い、例えば釣りに関連する商材の場合は釣りに興味がある男性のカテゴリを選択するなど、明確にマッチするカテゴリに対して広告を配信しました。
そしてさらに、これらの広告からサイトにアクセスしたものの、直接コンバージョンに至らなかったユーザーに再アプローチをすべく、リマーケティングを活用。インタレスト カテゴリで配信した広告から購入に至ったユーザーをリスト化し、購入済みユーザーを除外してリマーケティングで広告を配信することで、興味がありそうな潜在顧客層のみをターゲットにアプローチすることができました。

[インタレスト カテゴリとリマーケティングの組み合わせで広告を配信]

結果、新規顧客からのコンバージョンが大幅に拡大しました。リマーケティングの実施前に比べ、コンバージョン数は約 9 倍、CPA は -65% と、ターゲットを絞って広告の配信をコントロールすることで、投資対効果高く新規顧客を獲得することができたのです。

「AdWords は広告クリエイティブ、ターゲティング、配信期間の自由度などのニーズが満たされており、また、PDCA サイクルを早くまわせるためトライ & エラーを検証しやすいと思います。」と AdWords の戦略策定に携わるチームの皆さんは評価しています。今後はスマートフォンユーザー向けの広告最適化や YouTube をプラットフォームにした動画プロモーション/動画を視聴したユーザーに対するリマーケティングでのアプローチなどを検討しているとのことです。

「リマーケティングを活用するには、リストの事前準備が必要です。ウェブマスターチームとのスムーズな連携を心掛け、シーズン需要の盛り上がりタイミングに備え、広告配信予定期間より前もってリストを蓄積するようにしています。」
(右より)
株式会社インターワールド 
常務取締役 メディア本部長 村中智光氏、メディア本部 クロスメディアディヴィジョン インターネットDRメディア セクション 福島絵里子氏、リーダー 児玉花菜子氏、マネージャー 山田正芳氏


Google ディスプレイ ネットワークについてはこちらのページを、その他の活用事例については、こちらのページをご確認ください。

Christian Oestlien プロダクトマネージャー

Google では数ヶ月前に、検索中のユーザーが信頼できる友人や知人のおすすめ情報を簡単に見つけることができる、+1 ボタンという機能をリリースしました。信頼できる知り合いが推奨する情報は、最も有効な情報源の 1 つです。その後 +1 ボタンは世界中で何百万ものウェブサイトに設置され、毎日 40 億回以上も表示されています。そして10月上旬からいよいよウェブ上のディスプレイ広告でも +1 ボタンをご利用いただけるようになります。

お客様が Google ディスプレイ ネットワークにディスプレイ広告を掲載している場合は、広告に +1 ボタンとおすすめ情報が表示されるようになります。ユーザーはワンクリックで広告のリンク先ページを友人や知人にすすめることができます。

ディスプレイ広告に個人的なおすすめを組み込むことで、ユーザーと広告の関係性の変化が期待できます。友人や知人のおすすめ情報が表示されるようになることで、ディスプレイ広告はより強力なものになります。

たとえば、A さんが割引航空券の広告を見て、友人にもすすめようと +1 ボタンをクリックしたとします。その後、Google にログインしている A さんの友人や知人にその割引航空券の広告が表示されると、広告の下に A さんの写真と A さんが +1 したことを示すテキストが表示されます。

(PC 広告 サンプル)
(モバイル広告 サンプル)
+1 ボタンとおすすめ情報はディスプレイ広告の下部に表示され、ユーザーが広告にカーソルを合わせるまではフェード アウトした状態になります。「x」をクリックすると、その時点でオーバーレイは非表示になります。

また、この広告が A さんの友人や知人に表示される可能性も高くなります。友人のおすすめは高い関連性を示すシグナルとなるので、Google ディスプレイ ネットワークでは、ユーザーによる推奨を受けている広告を積極的に表示します。具体的には、推奨したユーザーの友人がアクセスするすべてのページで、その広告がオークションに含められます。もちろん、特定のプレースメントやユーザー層(インタレスト カテゴリリマーケティング リストなど)をターゲットに設定している場合は、設定した条件に一致するページにのみ広告が表示されます。また、除外しているプレースメントやカテゴリで広告が表示されることはありません。

なお、広告に対する +1 は、広告のリンク先ページに対応付けられます。そのため、+1 ボタンが検索結果ページ、ウェブサイト、ディスプレイ広告のどこでクリックされても、結果に違いはありません。あるコンテンツを +1 すれば、表示されている場所を問わず、ウェブ全体でそのコンテンツに対して +1 が 1 つ適用されます。

なお、Google ディスプレイ ネットワークの +1 ボタンは、イメージ広告、GIF 形式のアニメーション広告、Flash 広告、ディスプレイ広告ビルダーで作成した広告、厳選されたモバイル広告枠に追加されます。また、Google ディスプレイ ネットワークの内外どちらにも掲載可能な DoubleClick リッチメディア広告に、+1 ボタンを含めるよう設定することもできます。

広告に +1 ボタンやおすすめ情報を表示したくない場合は、本日より AdWords のキャンペーン設定でキャンペーンごとに無効化できます。

+1 ボタンの詳細や、広告と検索結果に与える影響については、Google の +1 ボタンに関するサイトをご覧ください。

第一広告営業本部 シニアアカウントプランナー 小林哲男

数えきれない程多くのサイトが広告掲載先の候補となる Google ディスプレイ ネットワーク。その中でも YouTube は、日本のインターネット人口の約 51.0% へリーチ* する大きなサイトの 1 つです。今回はこの YouTube を活用し、まさにターゲットとする層へのリーチに成功した事例をご紹介します。

医療事業を核とし、バイオケミカル事業などをグループで展開する協和発酵キリン株式会社。同社は 2008 年の商号変更をきっかけに、改めて消費者に対し企業への理解を深めていくコミュニケーション戦略を必要としていました。こうしたコミュニケーション戦略の一貫として、中高年に高い人気を誇る「サンダーバード」のキャラクターを起用したオンラインキャンペーンを展開、YouTube を活用しています。今回の施策について、協和発酵キリン株式会社 コーポレートコミュニケーション部 広報担当マネジャー 薬学博士 長谷川一英氏にお話を伺いました。

40 代、50 代男性をターゲットにしたトリプルメディア戦略
「協和発酵キリンが ”医療用医薬品を販売する会社” で、さらに ”製薬会社の中でも抗体医薬に強い会社” であることを知っていただくことが今回のキャンペーンに力を注いだポイントです。」長谷川氏はこれまで、いかに消費者に対して商号変更後の社名を認知してもらい、最終的にロイヤリティを獲得していくか、そのコミュニケーション方法を検討していました。事業の特性上、これらのコミュニケーションは段階を追って進めていく必要があります。今回は、これまで重点を置いてきた社名認知、業態認知のフェーズの次の段階である、機能認知(抗体医薬に強い会社であることを認知)を進めていくフェーズでした。

抗体医薬の主なターゲット層は、健康に対する意識が高く、新しいものに対する受容性が高い 40 代、50 代の男性です。今回のキャンペーンでは、これらのターゲットとなる消費者が親しみを持ち、かつ業態との親和性も高い「サンダーバード」を活用しました。タイアップ ソーシャルメディアに加え、YouTube を使ってキャンペーンサイトへユーザーを集めるトリプルメディア戦略を取りました。

キャンペーンサイトで自然に機能理解を深める
2011 年 5 月にリリースしたキャンペーンサイト『THUNDERBIRDS Lab.』は、ユーザー参加型のキャンペーンサイトで、サイトに訪れたユーザーが入隊テストを受け隊員になることで、随時追加されるミッションに参加できるようになります。コンテンツを充実させることで、このミッションを通して協和発酵キリンの最先端医療に対する理解を深めることができるようにしました。

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入隊するとオリジナルのアバターを作成することができる等の特典をつけ、段階を区切って新しいミッションを追加していくことで、ユーザーが何度も訪れ、徐々に機能理解を深めてくれるような工夫を施しています。

キャンペーンサイトへ、まさにターゲットとなるユーザーを連れてくる YouTube の役割
今回の施策において、YouTube はキャンペーンサイトにターゲットユーザーを誘導するための大きな役割を担いました。カスタマイズ可能な YouTube ブランドチャンネルを使い、エンターテイメントを楽しむ YouTube ユーザーに対し、アバターメーカーなどキャンペーンサイトと異なるコンテンツを用意しました。また、YouTube トップページにマストヘッド広告を掲載し、サンダーバードをフックにブランドチャンネルへの誘導をおこなっています。

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「最初は今回のターゲットに YouTube はあまり合致しないと思っていましたが、実際には 40 代、50 代も多く利用していることがわかりました。」(長谷川氏)

YouTube には『YouTube インサイト』という動画を視聴したユーザーのデモグラフィックや視聴動向など匿名の統計情報を把握できる分析機能があります。このインサイトにより、40 代、50 代、かつ男性を中心に動画が視聴されていることが検証され、当初ターゲットとしていたユーザーへのリーチに成功しました。また、キャンペーンサイトに設定した Google Analytics でキャンペーンサイトの流入元を確認したところ、YouTube からの流入が多く、他の流入元サイトと比べて最も高い数値を記録しました。

[協和発酵キリンブランドチャンネルの YouTube インサイトによる統計情報 ※開始 1 ヶ月時点]

「キャンペーンサイトの訪問者の行動を分析してみても、直帰率が少なく、きちんとサイトを見てくれるユーザーが集まりました。YouTube のブランドチャンネルを通じ、まさにターゲットとする世代のユーザーと接点を持つことができたのが要因であると考えています。」(長谷川氏)

「抗体医薬という難しいテーマに対する理解を深めるため、段階を区切ってストーリーを追加していきました。何度もサイトを訪れてもらうため、キャンペーンサイトや YouTube ブランドチャンネル内のコンテンツもスケジュールを組んで更新するようにしています。」
協和発酵キリン株式会社 コーポレートコミュニケーション部 広報担当マネジャー 薬学博士 長谷川一英氏


Google ディスプレイネットワークについてはこちらのページを、その他の活用事例については、こちらのページをご確認ください。

* Source: Nielsen Online NetView, May 2011 (パネル種別: Home and Work)

スモールビジネス マーケティング チーム

Google では毎日、AdWords  をご運用いただいている広告主様から、たくさんのお問い合わせをいただいております。今回はその中から、多くお問い合わせをいただく内容を、それらに関連するビデオと共に、一部ご紹介したいと思います。


1. 広告ランクの仕組み
AdWords では、広告の掲載順位はすべて「広告ランク」によって決定され、広告ランクが高い順に、広告が検索ページやディスプレイ ネットワーク上のページに表示されます。なお、この「広告ランク」は「入札単価」と「品質スコア」の 2 つの要素により決定され、このどちらか、または両方を高めていただくことが「広告ランク」の改善につながります。
広告ランクの仕組みや改善方法について、さらに詳しくお知りになりたい方はこちら。 [ 動画を見る ]

2. コンバージョン トラッキング
ご運用中の広告やキーワードの効果を的確に把握するには、コンバージョンに注目してみてください。ご予算に対して、何件のコンバージョンが発生したかをご確認いただくことで、費用対効果と運用上の課題を把握することができます。無料のコンバージョン トラッキング機能で、このコンバージョンを分析いただけます。
コンバージョンやコンバージョン トラッキングに関する詳しいビデオはこちら。 [ 動画を見る ]

3. Google ディスプレイ ネットワークへの広告配信
Google ディスプレイ ネットワークは、AdWords 広告を掲載する 100 万以上もの Google ディスプレイ パートナー、YouTube、Google 関連サイトで構成されます。さらにディスプレイ ネットワークでは、テキストや画像、リッチメディア、動画など、さまざまな広告フォーマットが利用でき、ユーザーの関心を惹き付ける広告を幅広く配信することが可能です。
ディスプレイ ネットワークに関する詳細や、広告の配信方法に関するビデオはこちら。 [ 動画を見る ]

4. モバイル広告の運用
AdWords ではPCに加えて、Android や iPhone などフル インターネット ブラウザを搭載した高機能端末のほか、日本で一般的に普及している従来型の携帯電話にも広告が配信できます。現在、モバイル端末からの検索数やAdWords 広告の表示数およびクリック数は急成長しており、この成長は今後も継続していくと考えられています。
モバイル広告の運用に関する詳細や、設定方法に関するビデオはこちら。 [ 動画を見る ]

いかがでしたでしょうか?これらのヒントが広告主様のお役に立ちましたら幸いです。

AdWords オンライン教室では、以上のようなご運用のヒントとなる情報を、ビデオ形式にて多数ご覧いただけます。ご運用状況や目的別にわかりやすくご紹介しておりますので、ぜひご活用ください。

水谷 嘉仁 シニア プロダクト スペシャリスト

このたび、検索結果の上部に広告を表示するための単価設定の目安となる、「ページ上部表示の推定入札単価」という新しい指標が AdWords に追加されました。この指標は First Page Bid の見積もりに似ており、検索結果の上部に広告を表示するために必要な 上限クリック単価 の見積もりとなります。

さらに、レポートの分割項目として「上部または側部」が新しく追加され、広告が Google の検索結果の上部に表示された場合と右側に表示された場合に分けて掲載結果をご確認いただけるようになりました。 広告の掲載場所とクリック数やコンバージョンとの関係を今まで以上に詳しく分析できるので、検索キャンペーンのより効果的な最適化が可能となります。平均して、検索結果の上部に表示される広告は、右側に表示される広告よりかなり多くのクリックを獲得する傾向があります。この情報と新しいページ上部表示の推定入札単価を入札単価設定の目安としてお役立てください。

注: ページ上部表示の推定入札単価は単価設定の目安としてご利用いただけますが、この推定値より高い単価を設定しても、ページ上部への広告掲載が保証されるわけではありません。広告掲載順位、および広告ランク は、品質スコア、クリック単価、予算やアカウントの設定、ユーザーや競合する広告主様の動向によって決まります。

ページ上部表示の推定入札単価を表示する方法は次のとおりです。
  1. [キーワード] タブに移動します。
  2. [表示項目] をクリックします。
  3. プルダウンメニューから [表示項目の変更] を選択します。
  4. [ページ上部表示の推定入札単価] チェックボックスをオンにして、[保存] をクリックします。
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ページ上部表示の推定入札単価の詳細については AdWords ヘルプセンター をご覧ください。