Katie Miller プロダクト マーケティング マネージャー

先日お知らせしたインプレッション シェア データの更新を、本日より開始させていただきましたので、改めてご報告させていただきます。

この更新により、新たに広告グループ レベルのインプレッション シェアが提供されるほか、キャンペーン レベルのインプレッション シェア データも改訂されます。また、インプレッション シェア データの更新頻度も 1 日 1 回に変更されています。これらの更新内容は、数日内にすべてのアカウントに反映されます。

インプレッション シェアの詳細については、AdWords ヘルプセンターをご覧ください。

第 2 広告営業本部 第 2 グループ アカウントエグゼクティブ 久米 雅人

1980 年創設の株式会社テアトルアカデミー。芸能界、演劇界などさまざまな分野で活躍できるタレントを養成する総合芸能学院として、数々の人気赤ちゃん、キッズタレントや俳優、シニアタレントを輩出しています。創立 30 周年を前に、2009 年には大宮校、横浜校、2010 年には大阪校を開校し、さらなるタレント候補生の獲得に意欲を見せる同社は、Google AdWords を効果的に活用し、申込者の獲得につなげています。プロモーション全体を統括する、株式会社テアトルアカデミー 広報室 室長 浅井 武士氏にお話を伺いました。


リスティング広告の約 7 割を AdWords に投資
テアトルアカデミーがメッセージを届けたいメインターゲット層は、赤ちゃんやキッズの親、タレント、俳優を目指す若年層、シニア層と多岐に渡ります。これらのターゲット層が接触するメディアでの広告展開が主なプロモーション手段となっており、新聞や雑誌でのオーディション募集の掲載と、オンラインメディアでの広告掲載に重点を置いています。

オンライン広告では、AdWords をはじめとするリスティング、ディスプレイ広告、広告ネットワークへのバナー掲載、モバイル広告、純広告、アフィリエイト広告など様々な方法を活用していますが、その中でもリスティング、ディスプレイ広告は、応募者獲得のための有効な手段であると考えています。

「リスティング、ディスプレイ広告全体予算の約 7 割を AdWords に投資しています。検索連動型広告だけではなく、Google ディスプレイ ネットワークへの広告配信を積極的におこなっており、新しいターゲティングの試みも常にいち早く実践してみるようにしています。」(浅井氏)

ディスプレイ ネットワークは、大手ポータルサイトから特定カテゴリーに特化したウェブサイト、個人のブログまでを網羅した広告ネットワークで、数えきれない程多くのウェブサイトの中からターゲットを指定して広告を配信することができます。同社はこのネットワークを活用し、オーディションや学院への応募について明確な意思を持たないライトモチベーションのターゲット層に対し、オーディションの存在を認知してもらい、応募へつなげるため広告を配信しています。はじめは赤ちゃん系の情報が集まるウェブサイトへコンテンツ ターゲットで広告を配信し、CPA(獲得単価)を確認しながら徐々にテーマを拡大しています。

配信先レポートを見て、投資対効果の高い配信先はプレースメント ターゲットを使ってあらかじめ配信先として指定し、広告を配信しています。ターゲット層と相性の良さそうなテーマを考え、まずは広告を出してみることにしています。CPA を見ながら投資対効果を判断し、テーマを拡大してリーチを広げています。」(浅井氏)


インタレスト カテゴリにいち早く着目
同社がディスプレイ ネットワークへの広告配信を続ける中で、次の手段として着目したのがインタレスト カテゴリでした。インタレスト カテゴリとは、ディスプレイ ネットワークのウェブサイトの中から、1,000 を超える既定の興味、関心のカテゴリのいずれかに関心を寄せるユーザーに向けてのみ広告を配信することができる機能です。コンテンツ ターゲットやプレースメント ターゲットはサイトに掲載されているテーマの関連性が高いものに広告を配信するのに対し、インタレスト カテゴリは過去のサイト閲覧履歴からそのジャンルに興味、関心のあるオーディエンスをターゲティングするため、そのオーディエンスが関連性の低いテーマのサイトにアクセスしている場合でもアプローチが可能となります。同社は、「乳幼児」のカテゴリを指定し、乳幼児に関心の高いユーザーがディスプレイ ネットワークのサイトを閲覧中にも広告を配信するようにしました。インタレスト カテゴリを使って広告を配信した後は、全てのコンバージョンの約 3 割がインタレスト カテゴリからのコンバージョンとなりました。これまでコンテンツ ターゲットやプレースメント ターゲットだけではリーチしきれなかったターゲット層に広告メッセージを届けることで、CPA をほぼ維持したまま、コンバージョン数の純増に成功したのです。

ターゲット層の明確な興味、関心をあらかじめ想定することができる場合には、コンテンツ ターゲットやプレースメント ターゲットと併用してインタレスト カテゴリを活用することで、コンバージョン数を拡大できることが実数値をもって証明されました。


スマートフォン最適化に早くから着目、CVR が 4 〜 5 倍に
こうした積極的な活用を押し進めていく中で、同社が次に早急な対応が必要であると考えたのが、スマートフォンユーザーに対するアプローチでした。

「これまで PC 向けキャンペーンと同じ広告グループ、ランディングページで運用していましたが、スマートフォンに最適化したランディングページと広告クリエイティブを作成し、別のキャンペーンと広告グループで運用を開始しました。スマートフォン ユーザーは急激に増加しており、特に我々がアプローチしている赤ちゃんキッズのお母様層や若者層は、スマートフォンへの買い替えが加速していると感じています。スマートフォン対応を早期に進めれば、応募に必要な写真の送信ももっとスムーズにできるのではないかと考えていました。」

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同社が着目したスマートフォン向けの最適化施策は、運用を開始してすぐに明確な効果となって表れました。同じキーワードを設定した PC 用の広告に比べ、CVR(コンバージョン率)は約 4 〜 5 倍となり、飛躍的に上昇しました。赤ちゃんキッズのお母様層のスマートフォン経由の応募も増え、また現在、AdWords における若者層の応募もスマートフォン経由が目立っており、早くから施策を打った効果であると、浅井氏はスマートフォン向け最適化施策に手応えを感じています。


リスクコントロールできるのが AdWords のメリット
新しい試みにはどんどんチャレンジしていきたい
同社は、Google AdWords について次のように評価しています。「AdWords は細かいセグメントや配信先のコントロールができ、広告配信をスタートした後も、例えば新番組がスタートするタイミングなど、素早くクリエイティブを変更することができます。こうした細かいコントロールを PC 向け広告だけではなく、フィーチャーフォンやスマートフォンで実現できるところが我々の方針とマッチしています。ただし、投資対効果が良いからといって、マスへの広告出稿を全面的に止めるというわけではありません。例えば、新聞広告を出稿することにより、オンライン広告からの申込み後の来場率が高まるという結果も出ています。今後はマス広告との効率的な組み合わせを検討していくことがテーマであると考えています。」

新しい取り組みをいち早く取り入れることにより、新しいマーケットを作り、成果を伴ってきたとこれまでの施策について振り返りながら、同社はまた次の新しいチャレンジへの検討を続けています。


「AdWords で新しい機能が出ると、まずはすぐにやってみることにしています。効果が良ければ投資を拡大し、そうでなければ運用を見直す。AdWords はそうしたフレキシブルな対応ができることが魅力です。」

株式会社テアトルアカデミー   広報室 室長 浅井 武士氏

Katie Miller プロダクト マーケティング マネージャー

かねて多くの広告主様よりいただいていたご要望にお応えし、検索ネットワークとディスプレイ ネットワークにおけるインプレッション シェアのデータを広告グループ レベルでも提供開始することといたしました。このデータを参考にすると、高い成果を上げているにもかかわらず広告の表示機会を十分に活用しきれていない広告グループなどをより簡単に特定できます。

今後 2~3 週間のうちに、次の 3 つの表示項目が [広告グループ] タブに追加されます。
  1. インプレッション シェア: 「実際の表示回数」を「表示される可能性のあった回数の推定値」で割った値です。
  2. インプレッション シェア損失率(広告ランク): 広告ランクが低かったために獲得できなかった表示回数の割合です。ただし、対象期間で 1 日の予算のほとんどを使い果たした(予算制限が適用された)日がある場合は、インプレッション シェア損失率(広告ランク)が表示されません。
  3. 完全一致のインプレッション シェア: (検索ネットワークのみ)キーワードと完全一致した検索での広告の実際の表示回数を、完全一致によって表示される可能性のあった回数の推定値で割った値です。


さらに、こうした詳しい指標の追加のほか、アルゴリズムを更新してキャンペーンのインプレッション シェア データの確度を高めていく予定です。なお、このような取り組みに伴い、いくつか重要な変更がありますのでご注意ください。変更内容は次のとおりです。
  1. キャンペーン レベルの統計情報の見直し: 現在アルゴリズムの改善を図っており、キャンペーン レベルのすべてのインプレッション シェアのデータを 2011 年 5 月まで遡って更新いたします。これに伴い、過去のキャンペーン レベルのデータについては、2011 年 4 月以前のインプレッション シェアが表示できなくなります。2011 年 4 月以前のキャンペーンのインプレッション シェア データの保存を希望される場合は、2012 年 1 月 29 日までにレポートをダウンロードしていただくようお願いいたします。
  2. データの更新頻度を 1 日 1 回に変更: データの確度を高めるため、インプレッション シェア データの更新は 1 日に 1 度、決まった時間(太平洋時間(GMT - 8 時間)の正午ごろ)にまとめて行うよう変更いたします。このため、インプレッション シェア データには表示当日のインプレッション シェアが反映されません。また、前日のインプレッション シェアが含まれない場合もあります(レポートを作成する時間にもよります)。 

これらの変更は、2012 年 1 月 30 日からすべての広告主様を対象に適用開始いたします。今後、アカウントの変更にご留意ください。また変更後は、AdWords ヘルプセンターでも詳しい情報をご覧いただけるようになります。

ディスプレイ広告営業部 柳井 亮

オーディオ、ビデオ、テレビ、情報、通信、半導体、コンポーネントなどからなるエレクトロニクス事業を展開するソニーの日本国内におけるマーケティングおよびセールスを担い、ソニーブランドの価値向上をめざすソニーマーケティング株式会社。2011 年 9 月 13 日に日本初の試みとなる YouTube マストヘッド活用のライブ配信により、ポータブルオーディオプレーヤー「ウォークマン」の新商品発表会の生中継を行いました。視聴者数 15 万人、最大瞬間視聴数 6 万を獲得した本施策について、ソニーマーケティング株式会社 コミュニケーション戦略部 マーケティングコミュニケーションマネジャー 長島 純氏にお話をお伺いしました。


ソーシャルメディア時代の新しい商品発表会のあり方を提示
メディア向け商品発表会をお客様にも同時に生中継の形で発信したのは、「ウォークマン」として初の取り組みでした。企業が自らのイメージを一方的にコントロールすることができない時代では、いかに生活者の中で流通されやすい情報を増やせるかが重要になります。そのため、商品開発者がどんな思いで開発したのか、直接自分の言葉でお客様に伝え、場を共有することで、共感性を高め、流通されやすい情報にすることを重視しました。また、「ウォークマン」やそのコミュニケーションキャンペーン「Play You.」には、10 代のお客様に対して、ソニーと接する入り口「My first Sony」としての役割を担わせていきたいという意図もありました。

そこで、ターゲットである 10 代が日常的にエンターテイメントを楽しむ場として浸透している YouTube トップ画面の大型ディスプレイ「マストヘッド広告」のスペースを活用することが通常のライブストリーミングとは意味合いが違い、情報拡散と認知拡大に効果的であると考えました。マストヘッドでの生中継は YouTube としても新しい取り組みであり、同社にはソーシャルメディア時代の新しい商品発表会のスタイルにチャレンジしたいという思いもありました。他の動画配信サイトとは桁の違うお客様に見ていただけるのではないかという期待もあり、YouTube での展開を決定しました。


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YouTube での事前告知でターゲット顧客をライブ配信へ誘導
今回の発表会は、ソニーの商品開発担当者らによる商品プレゼンテーションに始まり、キャンペーン「Play You.」の新メッセンジャー西野カナさんが登場するという進行でした。ただし発表会の生中継を見ていただくためには、その事前告知の細かい情報設計が必要です。ライブ配信については、当日事前に YouTube 内や自社サイト、SNS などで告知を行いました。さらに、西野さんが発表会に登場することは一切シークレットでしたが、唯一西野さんの公式サイトで、ソニーの商品発表会であるとは明言せずに「YouTube のライブ配信に出演する」という旨だけの告知が前日に出されました。これによって、当日事前に YouTube にアクセスしたファンのみが、「今年のPlay You.のアーティストは西野カナなのだ」と報道メディアよりも速く情報を入手できたのです。
このように情報をコアなファンに特別に速く届けるとともに、YouTube マストヘッドでの予告から実際のライブ配信へとつなげたことで、一気に情報量を高めることができ、結果、情報の拡散やバズの醸成につながりました。結果的に 30 分間で、視聴者数はユニークユーザー 15 万人、最大視聴者数 6 万人となり、想定を大きく上回る結果となりました。

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情報検索の拡大や商品購入意欲の醸成に貢献
今回の施策において、ライブ中継時に発生したバズの量も昨年同時期の新商品発表時と比較して約 7 倍、グーグルのキーワード検索数(Google Insights for Search での結果)も昨年同時期の 2 倍以上となりました。

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生中継後の「Play You.」キャンペーンサイトへのアクセスも予想をはるかに超える数となりました。その数は、当初見込みの約 5 倍で、商品ページへのコンバージョン率も目標の 5 倍以上という驚くべき結果となりました。従来は、新商品発表時にまずガジェット愛好家層やコアなファンが話題にしてくれ、次に価格比較サイトに掲載。その後、発売時にキャンペーンを立ち上げ、広くプロモーションしていく流れが主流でした。しかし、今回は、新商品発表会をお客様にオープンにしたことで、最初からターゲットにリーチすることができ、結果、「ウォークマン」に関する情報量を高めることができたのです。本施策に関する調査でも、「新商品を知っていた方の 5 人に 1 人はライブ配信を見ていた」、「新商品発表会を認知していた層は特にターゲットの 10 代 20 代男女の比率が高い」、「ライブ配信に接触した層は非接触層に比べて商品理解と購入意欲喚起度が高い」など、ライブ配信がターゲット顧客層の行動変容を促していることが明らかとなっています。さらに、ライブ配信を認知した人々の約半数が、「興味を持ってネットで情報検索をした」と答えており、「ソニーのウェブサイトに商品情報を見に行った」という回答は約 3 割にのぼりました。商品発表という早期のタイミングで多くのお客様との接点を持てた機会を有効に活用すべく、商戦期でのテレビ CM 放送時には、ライブ配信に来訪した方へのリマーケティングを実施し、再度商品へのアテンションを高める試みも行っています。これによりターゲット顧客に再来訪を促すことが可能となり、より長期的なエンゲージメントを築きながら購入アクションへと誘導できるようになりました。

「良いコンテンツを作っても、見てもらえなければ、世の中に情報が流通することはなく、広がっていきません。従来のマスメディアが担ってきたアテンション機能を YouTube での生中継に担ってもらい、共感の広がりをソーシャルメディアも使いながら流通させていき、接点を持ったお客様には、リマーケティングも活用して継続的に訴求できたことが、新たな新商品発表の要諦だと考えています。」(長島氏)