Posted by AdWords API Team

Ads Developers Relations チームより、AdWords API ワークショップ - 2015 年 秋 のご案内をいたします。このワークショップでは、AdWords API をお使いの開発者の皆様向けに、AdWords API の更新情報、ベスト プラクティスなどをご紹介いたします。

こちらのウェブサイト(www.adwordsapiworkshops.com)より、ご希望の開催地を選び、ご登録ください。後ほど確認メールをお送りいたします。

ワークショップは、以下の日時・開催地にて行われます。

日時(東京)
  • 日時: 10 月 29 日(木)13:30 - 17:00(13:00 -13:30 受付)
  • 場所: Google 株式会社 東京オフィス(六本木ヒルズ森タワー 27 階)

他の地域での開催
  • ニューヨーク - 10 月 20 日
  • サンフランシスコ - 10 月 22 日
  • ロンドン - 10 月 27 日
  • ハンブルク - 10 月 29 日
  • アムステルダム - 11 月 3 日


なお、本イベントは、AdWords API をお使いの開発者様向けへの、技術的な内容となっております。開発者ではない方もご参加いただけますが、各セッションは、コード例や、AdWords API に関する技術的な内容となりますのでご了承ください。

本イベントに関し、ご質問などございましたら、AdWords API 開発者フォーラム(英語)へご投稿ください。また、AdWords API に関する最新情報は、Google+ もご確認ください。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。

Posted by 第一広告営業本部 ビューティー&ヘルスケア業界担当アカウントマネージャー 松本冴未


Google では本日より 2 週間にわたり、日本の美容業界の検索動向に関する 2 つの記事を公開いたします。1 つめとなる本記事では、スキンケア関連の検索語句から生活者の美容への関心と検索行動におけるインサイトをご紹介します。

美容にまつわる願望の中でも、関心の高い分野の 1 つがスキンケアです。2012 年以降、スキンケア関連の検索が増えており、肌に悩みを持つ生活者がオンラインへ情報を求めていることがわかります。(グラフ 1)。


■ グラフ 1: スキンケア関連の検索の推移



<お悩み検索語句の詳細>


現在、美容に関する検索語句の中でも検索数を伸ばしているのが、肌悩みを表すものです。例えば、「ニキビケア」、「日焼け」、「肌の保湿」、「ほうれい線を消す」などの検索が該当し、肌悩みに関する語句はスキンケアに関する検索全体の約 30% をしめています。

特に、ニキビに関する語句がここ数年で右肩上がりに増加しています(グラフ 2)。直近ではお悩み検索の 40% を占めるほど拡大しており、ニキビは現代女性の最も多くが抱える肌悩みの 1 つと言えそうです。


■ グラフ 2 : お悩み別クエリ推移



「背中ニキビ」、「顎にきび」など特定の部位に関するものと、「ニキビ跡」に関する検索が最も増えていることがわかりました。「白ニキビ」、「黒ニキビ」のように、ニキビの色別に特徴分けした検索行動も見られます。また、2013 年にはほぼ見られなかった新しい検索傾向として、ココナッツ オイルによる効能、 大人のニキビ、男性のニキビケア、周期ニキビといった語句の検索が目立つようになり始めています。


<お悩みの季節性>


前述のグラフ 2 からは、お悩みには季節性があることがわかります。

例えば夏の時期には、美白、毛穴についての検索が増え、秋・冬には乾燥肌についての検索が増加します。特記すべき点として、先述したニキビについては季節に左右されることなく年々関心が高まりつづけています。この点から、ニキビは現代の生活者に増える悩みであるといえるのではないでしょうか。


<基礎化粧品の検索トレンド>


季節性のあるもう一つの分野として、基礎化粧品の検索トレンドを紹介します(グラフ 3)。

基礎化粧品とは、健康な素肌を保つことを主な用途として使われる化粧品を意味し、洗顔料や化粧水を指します。肌悩みの解決策として一年を通じて使われるため、検索トレンドにはっきりとした季節性は出にくいですが、若干の増減が確認できます。

まず、最もはっきり季節の影響をうけるのが日焼け止めで、毎年 2 月頃から検索が始まり、7-8 月にピークを迎えます。同じく洗顔も比較的夏に関心が高まる傾向にあります。

秋冬に検索が増えるのは、化粧水と乳液です。乾燥肌の悩みが秋冬に増えるのと連動し、潤いを与える化粧水と水分の蒸発を抑える乳液への関心が集まることが要因の一つと考えられます。

特に、化粧水は 9 月より上昇を開始します。11 月から最も検索数の高まるピークシーズンを迎え、年末年始のアップダウンを経て春先まで続く傾向が見られます。今年に関しては、夏以降の増加も顕著なため、ニーズが上昇していると言えます。


■ グラフ 3 : 基礎化粧品別クエリ推移


<まとめ>


ご紹介したトレンドから、スキンケアに関する情報をオンライン上へ求める生活者が近年増えていることが分かります。また、検索数上昇の背景にある、お悩みの変化や季節的な特徴など、検索行動の傾向が確認できます。

検索動向について更に詳しく知りたい方は、 Google の無料オンライン ツール、  Google トレンド(http://www.google.co.jp/trends/)もぜひご活用下さい。本記事末尾のご参考ランキングのように、美容に関する検索語句からクリスマスシーズンへ向けた生活者関心を把握することも可能です。

本記事では、弊社の検索データから生活者の美容についての関心とインサイトをご案内しました。次回は、美容業界の新しい動きとして注目される訪日観光客によるインバウンド事情について発表します。



ご参考:
2014 年 10 - 12 月の時期にプレゼントと一緒に検索された美容関連の検索語句ランキング

1 バスグッズ 6 アロマグッズ
2 香水 7 トリートメント
3 ポーチ 8 美容セット
4 美容グッズ 9 コフレ
5 入浴剤 10 美容アイテム


※ この記事の内容は、2013 年から 2015 年 7 月までの Google 検索データを元にしています。

Posted by エンターテイメント業界担当アカウントマネージャー石井 一樹、パフォーマンスソリューション エキスパート 緑川 徹生


ユニゾンリーグ_ロゴ.png

スマートフォン向けのゲームアプリを多く開発する株式会社エイチームは、新作ゲームアプリである「ユニゾンリーグ」をリリースし、より効率的な新規ユーザー獲得のために、本アプリの需要喚起とゲームそのものへのエンゲージメントを深めるという 2 つを目的とした広告展開を行いました。

今回、テレビ CM の展開に合わせて YouTube のモバイルアプリ プロモーション用 TrueView 動画広告を活用し、成功を収めましたので、ご紹介いたします。


導入の背景と戦略


スマートフォンのゲームアプリ市場は競争が激しく、多くのゲームが日々リリースされています。その中で、多くのユーザーにゲームの存在を印象付け実際に遊んでもらうということは、より困難になってきています。

実際にユーザーがゲームをダウンロードする際は、既に人気が高いゲームアプリを Google Play などのアプリマーケット上で目にしてダウンロードをするケースが多くなっています。新しいゲームがその中でユーザーの興味・関心を勝ち得て継続的にプレイされるためには、幅広く需要を喚起するとともに、実際にアプリのダウンロードへと繋がっていくようにモバイル端末上で広告を展開する必要があります。

エイチーム様は、「ユニゾンリーグ」という新作のゲームアプリを広告するにあたって、これらの課題に取り組むために、テレビ CM の出稿と連動する形で YouTube のモバイルアプリ プロモーション用 TrueView 動画広告を展開しました。


施策における工夫とポイント


今回のマーケティング施策においては、以下の 2 つの目的を重視しました。
  1. ゲームタイトル・コンセプトの需要喚起
  2. より強いユーザー エンゲージメントの達成

1 については、Google 検索および Google Play ストア内の検索に繋げていくために想起されやすいキーワードを考案し、それが強く印象づけられるように動画クリエイティブを作成しました。具体的には、仲間を作りながら遊んでいくという要素が本ゲームの醍醐味であるため、ユニゾンリーグ上の仲間(フレンド)を意味する「ユニフレ」という造語を作成。そして検索時にそのキーワードを想起してもらえるよう、「ユニフレ」を軸とした動画を男性向け、女性向けの 2 パターン用意しました。

2 については、上記に加えて、ゲームのプレイ画面を中心とした訴求の動画も作成することでエンゲージメントが高まり、継続率や課金率が高くなることを狙いました。

具体的には、2 つの目的に合わせて、以下のように合計 3 種類の異なる動画を用意し、YouTube の属性ターゲティングを活用しながら、TrueView 広告の配信を行いました。


目的施策内容 ターゲット層別の動画クリエイティブ
ゲームタイトル・
コンセプトの需要喚起
キーワード
(「ユニフレ」)の訴求
男性向け
女性向け
エンゲージメントの創出 ゲーム画面を中心とした
訴求
全ユーザー向け


施策後の成果


今回のプロモーション施策によって、「ユニゾンリーグ」は前述の 2 つのマーケティング目的に対して大きな成果を上げることができました。

まず、1 のゲーム タイトルおよびコンセプトの需要喚起*について、Google の提供する「ブランド効果測定」の一つであるサーチリフト測定を行った結果、ブランド名、商品名、クリエイティブ メッセージ共に、TrueView 広告に接触したユーザーによる検索行動が活性化したことがわかりました。具体的な成果として、広告で訴求した造語のキーワード検索ボリュームは +253%、アプリ名のキーワード検索ボリュームは +79% の増加を確認しています。(サーチリフト測定より)

カテゴリ検索語句オーガニック検索の伸び
ゲームタイトル
(ブランド関連検索)
ユニゾンリーグ、ユニゾン、Unison League、Unison+ 79%
広告クリエイティブ
関連検索
ユニフレ、ユニゾンアタック、ユニフレになりませんか+ 253%

(図 1) エイチーム「ブランド効果測定」の結果
ソース: ブランド効果測定
期間: 2015 年 4 月 21 日~2015 年 5 月 31 日
有意差検定(片側検定 有意水準 10%)の結果、有意差が認められた
*ご利用については担当営業までお問い合わせ下さい。


また 2 については、TrueView 広告経由の新規インストールユーザーの継続率は、同時期に配信されたディスプレイバナー広告経由の獲得ユーザーと比較して約 +70%(一定期間以上アプリを利用したユーザー間の比較)、ROAS(Return on Advertising Spending、広告費用対効果=アプリ内課金売上/広告コスト)で約 +150% と、インストール後のアクティブ率が高いことがわかりました。これは、動画広告視聴によってゲームに対するエンゲージメントが大きく高まったことを裏付けています。

(図 2)「ユニゾンリーグ」継続率、ROAS
ソース: エイチーム


今後の展望


「今回の施策では、ユーザー獲得において量と質の両方に対してのチャレンジを行ないました。

動画やメッセージの内容、配信方法を工夫することで検索行動が大きく活性化し、多くのユーザーのダウンロードに繋がったと感じています。

また、獲得後のユーザーのアクティブ率にも大きな違いが生まれることは、改めて発見となりました。実際にインストール(獲得)の量という部分においても、YouTube 上に表示したインストール促進用のバナーは重要な受け皿となってくれました。獲得ボリュームやユーザーの質という点で今の時代に合った設計のプロダクトだと感じています。また企画を練りながらチャレンジしていきたいと考えております。」エンターテインメント事業本部 マーケティンググループ プロモーションチーム 和田 隆照 氏


*PDF 版の事例はこちらからダウンロードできます。

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株式会社エイチーム
  • http://www.a-tm.co.jp/
  • インターネット モバイル端末をベースとしたコンシューマー向けサービスを主軸に、ゲーム デジタル コンテンツの企画・開発・運営などを行う「エンターテインメント事業」と、 日常生活に密着した比較サイトや情報サイトの企画・開発・運営などを行う「ライフスタイル サポート事業」を展開

Posted by Omry Pruzan - Gmail 広告担当シニア プロダクト マネージャー


家族や友人と連絡を取ったり、会社の同僚と打ち合わせたり、毎日の生活にメールは欠かせません。Google では、数年前からメール マーケティング サービスを提供し、ネイティブ Gmail 広告を利用して関連性の高いメッセージを配信する方法をテストしてきました。そして今月より、すべての広告主様が AdWords から直接ネイティブ Gmail 広告を作成し、配信することができるようになりました。


インタラクティブなネイティブ広告フォーマット


Gmail 広告を開発するにあたって、ユーザーがどのような広告に興味を示すかを、さまざまなフォーマットをテストして調査しました。今回、Gmail 広告について Google が行った改良点の 1 つは、通常のテキスト広告を取りやめたことです。代わりに、厳選された質の高いネイティブ広告が受信トレイに違和感なく表示されるようにしました。


Gmail 広告の表示形式


Gmail 広告には、次の 2 つの表示形式があります。

  • クリック前: 折りたたみ広告(Collapsed ad) - 最初は折りたたまれた状態で、他のメールと同じように Gmail 受信トレイに表示されます。この広告をユーザーがクリックすると、展開されて詳細が表示されます。

  • クリック後: エキスパンド広告(Expanded ad) - ユーザーが折りたたみ広告をクリックすると、広告が展開されて全画面のネイティブ広告が表示されます。ここでは、詳しい情報と印象的な画像でユーザーにアプローチできます。



なお Gmail 広告は、Google Apps for Work のメールサービス Gmail for Work には配信されません。

ユーザーが折りたたまれた状態の Gmail 広告をクリックすると、料金が発生します。それ以降のクリックには費用がかかりません。広告を受信トレイに保存したり、他のユーザーに転送したりするためのクリックも無料です。こうした無料の操作に関するデータは、「Gmail の指標データ」表示項目で確認できます。




Gmail 広告のご利用方法


この Gmail 広告は、AdWords で管理できます。ディスプレイ ネットワーク キャンペーンを作成し、広告テンプレートで Gmail 広告を作成してください。


広告テンプレート


Gmail 広告には、カスタマイズ可能な数種類のテンプレートが用意されています。たとえば、画像を 1 つだけ挿入することも、説明付きの画像と行動を促すフレーズのボタンを組み合わせることも、複数の商品を一度に表示することもできます。目的に合わせてテンプレートを選択してください。




柔軟性に優れたカスタム HTML フォーマットを利用すれば、動画、フォーム、電話番号、複数のリンク、行動を促すフレーズを自由に組み合わせて、ユーザーの目を引く魅力的な広告を作成できます。

エキスパンド広告ユニットの例



ディスプレイ ネットワークのターゲティング方法を活用


手動プレースメント「mail.google.com」に加え、キーワードアフィニティ カテゴリユーザー属性トピックといったディスプレイ ネットワークのターゲティング方法を活用できます。たとえばスポーツウェアを宣伝する場合は、「フィットネス」や「スポーツ用品」などスポーツ関連のトピックや、「健康」、「筋トレ」、「ランニング」などのアフィニティ カテゴリを選択できます。

なお、一部のターゲティング方法は Gmail 広告に対応していませんのでご注意ください。


活用事例


世界各地にホテルを展開しているマリオット インターナショナル社は、既にマーケティング戦略の一環として Gmail 広告を利用しています。

「弊社では、広告代理店 Beeby Clark+Meyler を通じて Gmail 広告を配信し、ルネッサンス ホテルの知名度を大幅に高めることができました。広告サイズが大きいので、館内の施設、イベント、当ホテルならではの特長を動画や画像で紹介できます。さらに、広告制作会社 Anomaly の協力を得て、さまざまなビジュアル要素を広告に取り入れた結果、RenHotels.com を訪問したユーザーのサイト滞在時間が 25% 長くなり、訪問あたりのページビュー数が 18% 増えました。ルネッサンス ホテル ブランドに続き、マリオット インターナショナル系列のホテルも Gmail 広告を使ってグローバルに宣伝しています。さらに、オートグラフ コレクション ホテルについても、間もなく Gmail 広告戦略を展開する予定です。」
-          デジタル マーケティング担当シニア ディレクター Amy Sherman 氏


受信する広告をユーザーが管理


大きく改良された Gmail 広告ですが、受信する広告をユーザー自身で管理できることに変わりはありません。他の Google 広告と同様、特定の広告主からの広告を受け取りたくない場合は、広告設定で除外できます。また、興味や関心に基づく広告配信を、完全に無効にすることもできます。


Gmail 広告のご利用手順については、ヘルプセンターをご覧ください。

Posted by 緑川 徹生 - パフォーマンス ソリューション エキスパート、八十原 光良 - インダストリーマネージャー



ブライダル情報サービス「ゼクシィ」、自動車関連情報サービス「カーセンサー」、高校生の進学情報サービス「リクナビ進学」などを展開するリクルートマーケティングパートナーズ。同社では購入頻度の多くない中古車においても、情報源としてスマートフォン、モバイルアプリの利用意向が高まることを予測し、先行してモバイルアプリを開発、モバイルアプリからのコンバージョン増加、ロイヤルユーザーの醸成に成功しています。今回は Google の考える Micro-Moments の考え方と合わせて同社の取り組みをご紹介します。


Micro-Moments について


日本人の 50% 以上がスマートフォンを手にするようになった現在、生活者の生活環境が大きく変わってきています。こうしたテクノロジーの進化によって、何かをしたいと思った生活者は、すぐに目の前にあるデバイスを使って調べる・買うなどといった行動を起こすようになりました。そうした瞬間のことを、Google では Micro-Moments と呼んでいます。これらの瞬間は、生活者が何かを決断したり、またはブランドに対する好みを形成する、マーケターにとって大切な瞬間です。

また、こうした Micro-Moments は多くがモバイルから生まれています。Google の調査によると、日本では生活者の 49%* が購買判断に検索結果を考慮しているといいます。そして、「何かを知りたい」と感じた生活者が、現在一番検索を行うデバイスはモバイル**です。また、「何かを買いたい」という時について、生活者の 40%* がモバイルで商品を比較したことがあると回答をしています。

Google では、こうした Micro-Moments を活かしたマーケティングを行うには、
1) Micro-Moments を正しく見極めること、
2) Micro-Moments における生活者の「意図」を汲んだうえで、「最適な情報」を「最適なタイミング」で届けること、
3) 1), 2)ができたかの効果測定をすること
が重要だと考えています。詳細についてはこちらもご参照ください。

*Google コンシューマーバロメーター、**Google 社内データ


導入の背景と戦略


リクルートマーケティングパートナーズが自動車関連情報サービス「カーセンサー」を運営している中古車業界でもこの「何かを知りたい」、「何かを買いたい」という Micro-Moments がモバイルから多く生まれています。生活者は、気になる自動車について「知りたい」、「買いたい」と思った瞬間に目の前にあるモバイルで調べており、その結果として主要人気車種名ワードの検索はスマートフォンからの検索が全体の 70%** を占めています(下図 1 参照)。

また、同社が独自に行ったリサーチでは、購入頻度の多くない中古車購入においても、情報源としてスマホ、及びモバイルアプリの利用意向が高まることが予測できました。そのため、コンバージョン数の拡大、モバイルアプリの特性を活かしたロイヤル ユーザーの醸成を目的として、アプリ時代の到来に先駆けてモバイルアプリへの投資の意思決定を行いました。

**Google 社内データ

(図 1 )主要車種名の検索トレンド



施策における工夫とポイント


1), 2) Micro-Moments を見極め、「最適な情報」を「最適なタイミング」で届けること


リクルートマーケティングパートナーズがモバイルアプリを開発する上で工夫した主な点は①ディープリンクの実装と、②モバイルアプリ内行動ログを活用したユーザー毎の志向性にあった広告クリエイティブ表示です。

①ディープリンクの実装により、モバイルアプリユーザーが興味のある中古車について「知りたい」、「買いたい」、と思ってスマホを手にとった時、すなわち Micro-Moments でスムーズにモバイルアプリを活用して貰うための仕組みを実現しました。具体的には既にアプリをインストールしたユーザーの Google 検索結果画面にモバイルアプリ ページのリンクを表示することで、1 クリックでモバイルアプリの該当車種画面にユーザーを誘導することが可能になりました。

また、②については、モバイルアプリ内に蓄積したユーザーの行動ログを活用することにより、ブランドや価格など、ユーザー毎に最も関連性の高いクリエイティブを広告として表示できる仕組みを実装しました。

3)効果測定


モバイルアプリではインストールから数か月間後であってもアプリ内の検索行動やコンバージョンが発生することから、同社ではアプリの CPI(Cost Per Install、インストール単価)だけでなく、インストール後 6 か月の計測期間を考慮した LTVCPA(Life Time Value CPA、生涯獲得単価)で ROI を判断しています。


施策後の成果


①の施策


コンバージョン数について、モバイルアプリからのコンバージョンが順調に増え、現在では全体の 約 15% まで増加させることに成功しました(2015 年 3 月時点、下図 2 参照)。


(図 2 )カーセンサーにおけるデバイス別コンバージョン(中古車下見)割合


また、ロイヤル ユーザーの醸成についても、モバイルアプリ ユーザーは長期に亘ってコンバージョンを生み出しており、初回来訪の 31 週後には 1 週目と比較し 4 倍以上のコンバージョンをしています。セッション数、PV 数についても、モバイルアプリ ユーザーは PC(ウェブ)と比較し、1 ユニークユーザー当たりセッション数 +526%(※5.26 倍)、PV 数 +1,573%(15.73 倍)とロイヤル ユーザーであることがわかります(下図 3 参照)。


(図 3 )ユニークユーザー当たりのセッション数、ページビュー数



②の施策


関連性の高い広告クリエイティブを配信し既存ユーザーに向けたディスプレイ広告のリマーケティングを行った結果、顕著な効果増が確認されました。具体的にリマーケティング配信の CPA について、PC のキャンペーンを基準とした場合、モバイルウェブで -2%、モバイルアプリでは -24% も改善されました。(下図 4 参照)


(図 4 )リマーケティング配信の CPA


アプリにおいては、ディープリンクを活用することで、アクティブなユーザーに対してよりよいユーザービリティを提供することが可能となり、大きな成果を収めています。


今後の展望


「当社ではモバイルアプリを戦略上重要視しています。利便性の高いユーザー エクスペリエンスを提供できる、アプリの利用によるカスタマー満足度の向上、ノーティフィケーション機能などでカスタマーの再来訪を促進し LTV 成果を向上させるなど、アプリ特有の価値と可能性があると思います。

施策に関しては「やってみないとわからない」という思想の基、積極的に新規施策に挑戦していくことで競合劣位になりにくい状況をつくっています。マーケットの新しい常識になるような施策は結果の予測が難しいため、施策の確度を見極めるプロセスは毎回行いながらも、積極的にチャレンジしたいと考えています。

今後より注目したいのは、Google が提唱する Micro-Moments という考え方です。当社が他媒体でエスノグラフィ調査を行い多数の生活者行動を細かく分析したところ、エレベータの待ち時間等、隙間時間のモバイル利用が一定量ありました。生活者の細かい行動をとらえ対応していくことが、今後より重要になってくると思います。」


執行役員 ネットビジネス本部
プロダクトマーケティング部 部長 櫻井 康平氏


同 コミュニケーションデザインG 平野 裕樹氏


*PDF 版の事例はこちらからダウンロードできます。
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株式会社リクルートマーケティングパートナーズ
  • http://www.recruit-mp.co.jp/
  • カスタマーとクライアントの出会いを創出することで、"しあわせの総量"が増えている世界を目指し、ブライダル情報サービス「ゼクシィ」、自動車関連情報サービス「カーセンサー」、高校生の進学情報サービス「リクナビ進学」などを展開

Posted by E-Commerce 業界担当 インダストリーマネージャー 本橋徹 / オーディエンス ソリューション本部 統括部長 須田尚宏


インターネット・ショッピングモール「楽天市場」は世界的にもユニークな B2B2C 型のマーケットプレイスです。楽天市場の運営においては、常に売り手と買い手の利便性を追求し、膨大なデータを分析しながら科学的アプローチに取り組んでいます。

この事例では、自動入札 vs 手動入札 A/B テストを経て、キャンペーンを完全自動化することで大きな売上向上を達成した、楽天市場の取り組みをご紹介します。デバイスの多様化により増えたユーザー接点(Micro-Moments)を自動化によって効率良く捉えた例です。


導入の背景と戦略


楽天市場では、動的リマーケティングを利用することで「ターゲティング」と「クリエイティブ」は既に自動化していましたが、「入札」はこれまでの知見を活かし手動で商品カテゴリ、リーセンシー、広告サイズで広告グループを分けて運用していました。そこで、さらなる効果アップの可能性の 1 つとして、広告グループを統合し、自動入札を検証することになりました。

2014 年 9 月に、入札戦略ツールの 1 つ、目標広告費用対効果(広告費用対効果:ROAS の目標値を設定し、最適化に向け自動で入札単価を調整する機能)を使って自動入札 vs 手動入札 A/B テストを行い、結果をもって入札自動化を検討するという計画がスタートしました。


自動入札(目標広告費用対効果:ROAS 機能)の仕組みと効果


自動入札(目標広告費用対効果:ROAS 機能、詳細リンク先説明もご参照ください)を適切に活用すれば、手動で入札単価を設定するよりもコンバージョン数(販売数)や売上を伸ばせるほか、キャンペーン管理の時間を大幅に減らすことができます。

その仕組みを簡単にご説明します。自動入札は、AdWords の自動入札アルゴリズムが各広告オークションの状況に関するシグナルを分析し、広告クリックがコンバージョン(販売)につながる確率に応じて入札単価を毎回自動で設定しています。また、個々のシグナルだけでなく、シグナルの相関性も考慮して入札単価を算出します。

下記は分析されるシグナルの一例です。自動入札は、手動での入札では一度に加味しきれない量のシグナルを多角的かつリアルタイムに分析し、入札することで、手動に勝る最適化を実現するのです。



施策後の成果


2014 年 9 月、リマーケティング リスト内のユーザーを均等なグループに分け、同予算でキャンペーンを展開し、自動入札 vs 手動入札 A/B テストを実施しました。結果、手動入札キャンペーンと比べて、キャンペーン費用は -12%と抑えながら、自動入札キャンペーンではコンバージョン数(販売数) +12%、売上 +14% という成果をあげました(図 1 参照)。

この結果を受け、楽天市場は入札の自動化を導入しキャンペーン(ターゲティング、広告、入札)をすべて自動化しました。その後、投資を拡大し 2015 年 4 月には、コンバージョン数(販売数)は 2.6 倍、売上は 2.9 倍にまで拡大しました(図 2 参照)。現在では、入札調整含むこれまで手動で行っていた実行フェーズに関する業務はほぼ自動化が完了し、その分の時間は今後のユーザー戦略に関するディスカッションや新施策のチャレンジなどに一層割かれています。

(図 1)手動入札 vs 自動入札テスト結果
(図 2)自動入札導入後の推移



今後の展望


「昨年 9 月の導入より、継続的に高いパフォーマンスで運用を行うことができております。導入当初は、ターゲットとした ROAS 値よりも高い成果が出てしまう、ROAS 値変更時にパフォーマンスが安定しないなど、いくつか問題点がありましたが、度重なる Google 側のチューニングにより現在は解消されており、順調に運用をしております。 また今後は、検索広告についてもテスト運用を進め、導入していきたいと検討しております。」
(楽天市場事業マーケティング部アフィリエイト・マーチャンダイザーグループ ディスプレイチーム 門田 志穂氏)



*PDF 版の事例はこちらからダウンロードできます。

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楽天株式会社
• http://www.rakuten.co.jp/
• インターネット・ショッピングモール「楽天市場」を中核に、電子書籍、トラベル、銀行、証券、クレジットカード、電子マネー、ポータル&メディア、オンライン マーケティング、プロスポーツなどのサービスをネット上からワンストップで提供

Posted by 緑川 徹生 - パフォーマンスソリューション エキスパート


これまで、認知・検討・コンバージョンという流れで、購買ファネルに沿って Micro-Moments の活用方法を解説してきましたが、最終回の今回は 4 つ目にあたる「リレーションシップ」がテーマになります。そして、モバイル マーケティングにおける「リレーションシップ」の強化について考える上で、今回はモバイルアプリに重点を置いて、Micro-Moments を捉え・活用する方法について解説します。

モバイルアプリの重要性は、従来エンターテイメント系サービス(特にゲーム)や新規事業をアプリベースで開発する場合などに語られることが多かったのですが、既存の事業における顧客との「リレーションシップ」強化という観点で考えると、より多くの企業様がアプリ作成に本格的に取り組むべき理由が見えてきます。


1. 生活者の Micro-moments を捉える上でのアプリの重要性


まず、生活者の Micro-Moments を捉える上で、アプリは欠かすことができない領域です。データで見てみると、1 人のユーザーは 1 週間に 1,500 回なんらかの操作をスマートフォン上で行っているのですが*1、時間消費の内訳を見ると、そのうち 86% の時間はアプリ上で使われています*2。これは、モバイル端末で発生する Micro-Moments について考える際に、ユーザーにとって便利なアプリ サービスを提供できていない場合、大きな機会損失を生んでいることを意味します。

ただし、ウェブサイトをすでにお持ちの企業様の場合、アプリをさらに開発するメリットを理解しないと、着手が難しいかもしれません。そんなときは、以下 4 つのアプリの強み・メリットについて考えてみてください。

  1. より豊かな UI/UX: アプリでは、ウェブと比べて豊かな表現やインターフェイスを実現できます。このため、一般的にアプリユーザーは、ウェブ上よりも高いアクティブ率(ネットサービスを活発に、あるいは日常的に利用している人の割合)を見せ、購買展開率(サービスにおけるコンバージョンの起こりやすさ)などもより高くなります。
  2. 素早いサービスの立ち上げ: スマートフォンのホーム画面にアプリのアイコンが常駐していますので、ユーザーの Mirco-Moments が生まれた直後に立ち上げてもらうことが可能です。
  3. オフライン情報の活用: 重いデータなどを都度ダウンロードする必要がありません。また、ユーザーの過去の入力情報を保存し、次回の立ち上げ時にそのまま継続的に利用することが可能です。
  4. アプリユーザーによるより高いサービス利用意向: アプリのインストールは、実は非常に強い意図を持っているユーザーによる行動です。多くのアプリユーザーは、わざわざそのサービスのブランド名やサービスに関するキーワードを検索したりして、ストアのアプリのページにたどり着き、そのサービスを利用するつもりでインストールを行うのです。

実際に、アメリカでの調査で、アプリを持っているユーザーの活発な購買活動が報告されています。

各業種のアプリ ユーザーに聞き取りしたところ、過去 30 日間でこんなにも多くの割合のユーザーが何らかの購買活動・加入契約を行っています。これはアプリが Micro-Moments を捉えていることの証左です。*3



このようにアプリは大きな可能性を秘めていますが、取り組むべきテーマが大きく 2 つあります。LTV(Life Time Value、顧客生涯価値)とインストールです。

アプリにおける LTV は、アプリユーザーが、1) どのくらいの頻度で、2) どのくらいの期間アプリを使い続け、3) またそのうちどのくらいのユーザーが実際に購買活動を行い、4) どのくらいの金額を消費するのか、という 4 つの指標で計測されます。ここでは、そのアプリがユーザーの Micro-Moments に応え続け、満足させているか、が鍵になります。

また、インストールについては、プロモーションなどによってユーザーボリュームを確保する必要があります。これも、ユーザーが「アプリが欲しい」と思う Micro-Moments をマーケティング施策によって捉えることが重要です。


2. Micro-Moments を捉えて LTV を向上させる


まずアプリを作ったことによるビジネス上の付加価値がはっきりしないと、プロモーションへの投資も難しくなってしまいます。

アプリが高い LTV を発揮するためには、「使われる質の高いアプリ」を作り、しっかりとユーザーに使い続けてもらうための「仕組みづくり」が必要です。実際に、1 ヶ月間でアプリがアンインストールされてしまう割合は 95%であり*4、20% のアプリは 1 回しか使われずに終わってしまいます*5。ユーザーの Micro-Moments に応えることができないアプリは、まず使い続けてもらうことすら難しいのです。

アプリの成功企業は、以下の 4 つのポイントを特に押さえています。

  • わかりやすさ・アプリの品質を重視: シンプルでわかりやすいアプリ、そしてユーザーのニーズにしっかりと応えているアプリ。
  • 簡潔な登録・購買フローの実現: これは例えば、実際に何かアプリで何かを購入しようとしているユーザーに煩雑なフォームの入力を強いることは避けるべき、ということです。
  • ユーザー分析に基づくアプリ改善: ユーザー層分析を行い、Micro-Moments の発生の瞬間、アプリに期待されること、ニーズの高いユーザーグループを把握します。
  • ディープリンクを活用したリテンション施策: ユーザーの Micro-Moments 発生時にアプリで即時対応することで、ユーザーを引きつけて定着させます。


a 質の高いアプリを作る


まず、ユーザーに長く使い続けてもらえるアプリを作ることが、何にもおいて大事です。

リクルートマーケティングパートナーズは、中古車カーセンサーの事業においてアプリにいち早く取り組まれました。現在、アプリのユーザーのアクティビティはモバイルウェブにおけるそれよりも遥かに高くなっており、1 週間後の継続利用率を比較しても 5 倍、1 ユーザーあたりのセッション数は 3.5 倍にもなっています。ユーザーにアプリを利用してもらうことの付加価値は明らかです。*6

注目すべきアプリの機能としては、ユーザーの閲覧履歴や検索条件をアプリ上で記憶し、購入検討をいつでもすぐに再開できる機能や、登録した車の新着在庫のお知らせを受け取ることができるプッシュ通知があります。中古車購入を検討しているユーザーの Micro-Moments に応えようとしています。




Online to Store(O2S)では、Walmart の Saving Catcher という機能が目を引きます。これは、ユーザーが Walmart で買物を行った際に、レシートをアプリのカメラ機能で撮影すると、近隣の他の店舗のチラシの情報と比較して、最低価格との差分を次回来店時のクーポンにするというものです。

また、店舗内の在庫情報との連動や、広い店内での陳列位置の表示など、買物に役立つ機能が充実しています。Walmart のこのアプリを持っているユーザーは、持っていないユーザーに比べて来店率が 2 倍に向上し、平均購入金額が 40% も高くなっているということです。*7



このように、すでにウェブや店舗などでの成功があり、さらにユーザーとのリレーションシップを強めるためにアプリを作る場合、ユーザーの Micro-Moments を捉えてより高い LTV を生み出すことが可能です。

Google では、Android プラットフォームを提供していることから、アプリデベロッパー様にモバイルアプリのビジネス成功のためのより詳細な Tips もご用意していますので、ご覧ください。


b より使ってもらうための仕組みを作る


アプリ内の特定のページに対して直接リンクを行うディープリンクは、今後アプリでのサービス提供を考える上で必須のテクノロジーになります。このディープリンクは、実は先ほどご紹介したカーセンサー、Amazon、Walmart のアプリでも活用されています。オーソドックスな活用方法としては、直接、アプリ内の個別のキャンペーンや商品情報などにリンクを貼るというものです。

現在、ディープリンクを活用するための Google のソリューションとして、以下 3 つをご用意しています。

  • App Indexing: 自然検索結果において、アプリをすでに持っているユーザーに対しては関連するページのディープリンクを表示するというものです。
  • Voice Actions API: Google の Voice Actions から特定のアプリの特定のアクションを呼び出します。音楽を聴いたり、商品を指定して購入するなどのアクションを声で呼び出します。
  • Now API: Google Now カードからもディープリンクを呼び出すことができます。

2015 年 9 月現在、Voice Actions API および Now API はベータプロダクトであり、すべてのお客様にご実装いただけるものではありませんので、ご了承ください。



例えば食べログでは、App Indexing の導入から 5 週間後、アプリのお店ページの PV が 9.6% 増加したとのことです。*8 今後アプリを持っているユーザーに対しては、より高いアクティビティが期待される場合、ウェブではなくアプリ内の特定のページに優先的にリンクを飛ばすことが一般的な手法になってくると考えられます。

また、ディープリンクの技術は広告にも活用が可能です。現在、検索結果連動型広告において飛び先をディープリンクに指定することや、ディスプレイの再エンゲージメント広告のリンク先をディープリンクとすることなどが可能となっています。

広告においても、既存ユーザーに広告を表示する際に、ウェブサイトにリンクするかアプリのディープリンクを開くか、という選択を行う機会が今後増えてくると考えられます。


3. Micro-Moments を活用してインストールを促進する


実はアプリを多くのユーザーに見つけてもらい、インストールをしてもらうのも簡単なことではありません。アメリカでの調査によると、スマートフォン ユーザーの 2/3 は過去 1 ヶ月間アプリをダウンロードしていないそうです。*9 また、世の中には膨大なアプリがありまして、今この瞬間もアプリマーケット上に 100 万以上のアプリが存在します。

インストール ボリュームを獲得するためにも、Micro-Moments について考えることが大変重要です。そのアプリのサービスをユーザーが必要として、スマートフォンにおいて検索や調査のアクションを取る瞬間に、ふさわしいアプリの紹介を行うことができることが望ましいです。実際 75% のユーザーが、アプリをダウンロードする前に何らかの検索や比較を行うそうです。*10

Google がもっているアプリ プロモーションに利用可能な掲載面は、これらをカバーすることができます。よく使われる検索画面、それに Google Play 上の検索はユーザーの能動的な Micro-Moments を掴む大事な場所です。また関連性の高いコンテンツを見ている瞬間も、プロモーションのための重要な機会です。ユーザーのアプリに対するニーズが高まる Micro-Moments を想定しながら、プロモーションに取り組んでください。



4. Micro-Moments を活かせたか効果を測定する


では、これらの効果の計測はどのように行われるのでしょうか。

1 つが LTV に関連して、アプリそのもののパフォーマンスを計測することが重要です。
  • アプリ内分析: どのような生活者がどのようなアプリの使い方をしているのかを分析します。その分析を基にリマーケティングのリストを作ることもできます。また、例えば 30 代の女性が好むものを特定し、お勧めとして表示することで、購買にいたる可能性を上げることもできます。
  • 収益性分析: ユーザーが実際に購買にいたるまでのボトルネックを発見し、アプリの改善を行うことができます。離脱率が高いポイントはどこでしょう?また、いち早い不具合の発見にも役立ちます。
  • アトリビューション: 例えば複数のチャンネルをまたぐコンバージョンを追うことができます。皆さまのユーザーは、御社ウェブサイトも訪れて、その後にアプリでコンバージョンしているかもしれません。

もう 1 つの観点として、アプリのインストールの効率化のための計測があります。
  • 経路分析: どのキャンペーン、ネットワークのインストール効率が高かったかを判断するものです。これによって、広告配信を最適化できます。
  • インストール後アクション: インストール ボリュームばかり追うことは得策ではありません。質の高いユーザーがどの経路から獲得できているかの分析も重要になります。

最後に、実際に普段の KPI として見るべき指標を確認しましょう。

まず、インストール数はプロモーションのためにしっかりと計測しましょう。問題は、その後です。まず、リテンション(どのくらいの割合でユーザーが残ってくれるのか)、顧客単価(どれくらいお金を使ってくれるのか)、継続期間(どのくらい長くサービスにとどまってくれるのか)を計測します。これらのことが分かって初めて、LTV が算出可能になります。

この LTV の本当の価値を知らなくては、実際にどの程度インストールにコストをかけられるかの判断はできません。



5. Key Takeaways


以下 3 点が、今回のまとめです。
  • ユーザーの Micro-Moments に応え続ける質の高いアプリを作り、使い続けてもらうための仕組み(一例として、ディープリンク等)を取り入れる。
  • ユーザーの Micro-Moments を捉えるプロモーションを行う。
  • それらを実現するためには KPI の可視化と PDCA の遂行を行う。



連載: Google と考える Micro-Moments - 過去の記事はこちら

第 1 回: マーケターにとって見逃せない瞬間「Micro-Moments」とその活かし方
第 2 回: Micro-Moments を活かして認知を獲得し検討を促す
第 3 回: Micro-Moments を活かしてコンバージョンを増やす




*1 Mail Online, “How often do YOU look at your phone? The average user now picks up their device more than 1,500 times a week”, 2014 年
*2 Flurry, “Apps Solidify Leadership Six Years into the Mobile Revolution”, 2014 年
*3 Google and Ipsos Media CT, 2014 年
Google partnered with Ipsos MediaCT on the Consumer Mobile Apps Study to uncover consumer smartphone app acquisition and usage behaviors. Online survey was conducted Sep. 12-22, 2014 in the U.S. among 8,470 smartphone users aged 18-64 who have used any smartphone apps in the past 7 days and have used Entertainment, Finance, Gaming, Local, Retail, Social, Tech, or Travel apps in the past 30 days.
*4 Nuance, 2011 年
*5 Localytics, 2014 年
*6 リクルートマーケティングパートナーズ様からの情報提供
*7 Fast Company, 2014 年
*8 食べログ様からの情報提供
*9 comScore US Mobile App Report, 2014 年
*10  Google and Parks Associates, Consumer Apps Survey, 2014 年

Posted by Google マイビジネス チーム


よりお客様を増やすには、オンライン上で自社のサービスや製品についての認知度を高めることが重要です。Google で営業時間や写真など多くの情報を提供すると、そうでない場合より、ビジネスの信頼度が 2 倍以上になるという調査結果もあります*。一方、オンライン上の情報が最新のものでない場合、例えば、ユーザーが住所や営業時間をオンラインで確認して来店し、お店に着いたときに初めて変更されていることに気づいた場合、ユーザーはとても不快に思います。

Google では、ユーザーがお店や企業の情報をより簡単に探せるよう、サービス向上に努めています。そのため、Google マイビジネスをご利用いただいているものの、過去 1 年間に一度もログインがなかったビジネス オーナーの皆様には、Google からログインとご登録情報の確認をお願いするメールをお送りすることがあります。


メールを受け取ったら


このようなメールを受信した場合、本文に記されたステップに沿って Google マイビジネス ダッシュボードにログインのうえ、必要に応じて情報の修正をお願いいたします。Google から通知が送信されてからもアカウントにログインいただけない場合、アカウント認証が取り消されたり、Google マップから情報が削除される可能性があります。


定期的なログインのお願い


Google マイビジネスをご利用いただく際は、少なくとも半年ごとにアカウントにログインし、ご登録情報を確認していただくことを推奨しております。 Google に正しい情報を登録することで、Google 検索やマップのユーザーに継続的に正確な情報を提供することができます。この作業は数分で終わりますので、ご協力をお願いいたします。

Google マイビジネス アカウントには、www.google.com/business よりアクセスいただけます。また、ログイン情報を忘れた場合、またログインに際してエラー等が表示される場合は、こちらをご覧ください。

*Google/Oxera, The Benefits of Complete Business Listings, December 2014


Posted by 旧動画広告向け AdWords チーム
Lane Shackleton - Google プロダクト マネージャー、 Ammar Ibrahim - プロダクト マネージャー、 Avi Fein - プロダクト マネージャー


これまで、TrueView 動画キャンペーンの作成や管理は AdWords 管理画面の専用ページ(「すべての動画キャンペーン」ページ)で行っていました。そのため、TrueView キャンペーンとその他のキャンペーンの両方をご利用の場合は、2 種類の画面を行き来する必要がありました。また、これまでは動画キャンペーンで AdWords の一括管理ツールを利用することもできませんでした。

この度、TrueView が AdWords のメインの管理画面に移動し、検索、ディスプレイ、ショッピングといった各種キャンペーンと一緒に取り扱えるようになりました。

これに伴い、AdWords の各種一括管理ツールも TrueView に対応しました。今後は TrueView キャンペーンでも新機能を速やかに利用できるようになります。


新しい管理画面のご紹介


左上のナビゲーションでは、特定の種類のキャンペーンだけを表示できます。たとえば「動画」を選択すると、動画キャンペーンのみが表示されます。表示項目の設定は画面ごとに記憶されるため、キャンペーン タイプを切り替えるたびに選択し直す必要はありません。



広告グループ


また、TrueView の従来の「ターゲット グループ」に代わって、検索、ディスプレイ、ショッピング キャンペーンと同様「広告グループ」が導入されます。各広告グループでは、インストリームかインディスプレイのどちらかの TrueView フォーマットを選択します。広告グループごとに選べるフォーマットは 1 つだけですが、キャンペーンには複数の広告グループを設定できるので、キャンペーン単位ではこれからも両フォーマットの広告を掲載できます。

新しい動画キャンペーンを作成するには [+ キャンペーン] をクリックし、タイプとして [動画] を選択します。



各キャンペーンでは、[+ 広告グループ] より新しい広告グループを作成できます。



キャンペーンの管理、最適化、レポート作成


TrueView が AdWords に移行したことで、キャンペーンの管理、最適化、レポート作成の各種ツールも利用可能となります。

一括編集機能: 管理画面上で複数のキャンペーンをまとめて編集できます。
一括アップロード機能: キャンペーンの現在の設定をダウンロードしてまとめて編集し、変更内容をアカウントにアップロードできます。
レポートのスケジュール設定: スケジュールを設定してレポートを自動作成したり、登録したメールアドレスに定期的に送信することもできます。



動画キャンペーンのレポート機能も充実しました。キャンペーン名、ラベル、費用、コンバージョン数などをもとに、掲載結果にフィルタをかけることができます。



動画用の各種機能も AdWords に移行しました。たとえば動画リマーケティングを [共有ライブラリ] で、YouTube とのリンク設定を [リンクされたアカウント] で利用できます。動画広告の分析情報を [動画] タブで参照できるほか、[動画ターゲティング] タブではターゲット設定を管理できます。






アップグレードの方法について



本日よりキャンペーンをアップグレードし、新しい広告グループ構造に移行して TrueView キャンペーンを管理できるようになります。[すべての動画キャンペーン] をクリックしてアップグレード センターに移動すれば、すべてのキャンペーンのアップグレードをまとめて処理できます。





過去の掲載結果やターゲット設定もすべて引き継がれます(こうした情報はキャンペーン単位の表示に切り替えることで参照可能です)。ご自身でキャンペーンのアップグレードを行わない場合でも、6 週間後には自動的にキャンペーンがアップグレードされます。


Posted by 水谷 嘉仁 - パフォーマンスソリューション エキスパート

1.  Micro-Moments を見極め、「最適なメッセージ」を「最適なタイミング」で届ける



世界中で 1 日に検索数は 30 億回を越え、日々検索される語句の 15% は今までに検索されたことがありません。*1

検索語句のレポートを分析していると、こんなのどうやって検索したの?と思うことが多々あります。コピペや音声検索でしょうか、特にモバイルの検索語句では、非常に長い住所であったり、まるで温泉の効能のような文章など予測することが難しいものが多くあります。おそらくどこか旅行先の温泉をさがしている Micro-Moments とも推測できます。

こうした多様化した生活者の Micro-Moments を柔軟に捉えるためには、従来のキーワードによるターゲティングでは限界があります。そこで、ターゲティングを自動化する「動的検索広告」を活用すると、自社のウェブサイトに関連する検索語句に対して自動で広告を配信することが可能になります。

その動的検索広告を国内で一番活用し、生活者の Micro-Moments を的確に捉えていらっしゃる楽天市場とリクルートライフスタイルに検索広告キャンペーンのデータを提供頂き、今年の 3 −4 月にかけての 1 日における時間帯別の Micro-Moments をそれぞれグラフ化してみました。


楽天市場のデータより


オンラインショッピングの Micro-Moments をデバイスごとに見てみると、モバイルのクリック数が終日においてパソコンを上回っています。生活者が「何か買いたい」と思ったときに、いかにモバイルで情報を検索しているか読み取ることができます。

ちなみに昨年のデータと比べると、昨年の同時期にはなんとパソコンのクリック数が終日においてモバイルを上回っていました。この 1 年で、モバイルのクリック数が 3 倍以上に伸びており、オンライン ショッピングはモバイルファーストになったと言えるでしょう。




リクルートライフスタイルのデータより


レストランでは、生活者が「何か食べたい」とレストラン情報を探すクリックは、お昼と夕方の食事時にピークを迎えます。特に夕方には、パソコンとモバイルのピークに時差があるのも特徴的です。やはり、モバイルでは外出先での直前の情報検索が多いことが想像され、まさにモバイルならではの Micro-Moments であると言えるでしょう。

また美容では、生活者が「髪を切りたい・ネイルをしたい」とモバイルで情報を探す時間帯には、1 日の中で大きく 4 つのピークがあるようです。察するに、学生であれば授業の合間の休み時間や、会社員であれば終業時間でしょうか。こと美容についての Micro-Moments は圧倒的にモバイルからになっています。




個々の生活者の Micro-Moments を継続的に捉える


ある調査によると、95% のサイト訪問者は初回訪問時にコンバージョンしないまま離脱し*2、また、49% のサイト訪問者はコンバージョンするまでに 2 −4 回再訪問するとも言われております*3。一方で、ターゲットを絞った広告は、その効果の度合いが 2 倍になるというデータも出ています*4。せっかく認知・検討段階でサイトを訪問した生活者を、コンバージョンまで落とし込めるかは、いかに「個々」の生活者の Micro-Moments を「継続的」に捉えられるかにかかってきます。

そのためには、サイト訪問者との接点をできるだけ多く把握する必要があります。まず最初に、ウェブサイトに訪れた生活者のサイト内での行動履歴を収集し、適切にセグメント化します。ここで、陥りがちな「策士策に溺れる」パターンに気をつけてください。より詳細に生活者をセグメント化しようと、リマーケティング リストを細分化し過ぎてしまい、実際の広告運用に活用できなくなるケースをよく見かけます。

そんな時は、Google アナリティクスのスマートリストをご活用ください。スマートリストは Google アナリティクスの 250 以上ものシグナルを使って、サイト訪問者の中からコンバージョンの可能性の高いパターンを分析し、リマーケティング リストを自動で作成します。

データ収集とセグメント化の準備ができたら次は、実際の広告運用です。検索広告・ディスプレイ広告ともにリマーケティングを活用して、個々のサイト訪問者が再度検索をしたりコンテンツを閲覧している、まさにその Micro-Moments を逃さず再びアピールします。

また、サイト未訪問者に対しても、Google ディスプレイ ネットワーク、YouTube, Gmail を通じて、生活者が購入を検討している Micro-Moments を見極め、積極的にサイト訪問を促すことが可能です。

主にディスプレイ広告は認知・検討からコンバージョン、検索広告は検討からコンバージョンにかけてよく機能します。たとえ検索広告・ディスプレイ広告のキャンペーンを別々に運用していても、広告を通してリーチする生活者は同じであると考えるべきでしょう。リマーケティング戦略としては、認知・検討・コンバージョン、そしてその後のリレーションシップの強化まで、個々の生活者の  Micro-Moments を検索・ディスプレイ ネットワークをまたいで包括的に捉える必要があります。


自動化の活用


Micro-Moments を捉えるベストプラクティスとしては、ターゲティング、広告、入札単価を自動化することが効果的です。検索ネットワークでは、動的検索広告と検索広告向けリマーケティング リストと自動入札の目標 CPA を併せて活用することで、インデックスされたウェブページを活用し、訪問歴がある生活者に向けメッセージと入札単価を最適化することが可能になります。

一休レストランでは、ターゲティング・広告・入札単価の調整のすべてを自動化することで、モバイルのコンバージョン数を昨年対比で+136% に倍増することに成功しました。また、動的検索広告の検索語句レポートより、鉄板焼きやアフタヌーンティーの需要の変化をタイムリーに捉えて特集ページを開設し、それらをディスプレイ広告として運用することで新規顧客の獲得にも取り組むことができました。



ディスプレイ ネットワークで Micro-Moments を捉えるには、ぜひ、動的リマーケティングと自動入札の目標 ROAS を併せて活用してみてください。そうすることで、訪問歴がある生活者に向けメッセージと入札単価を最適化することが可能になります。

楽天市場では、動的リマーケティングで手動入札と自動入札をテストしたところ、自動入札において販売数では +12%、売上では +14% の増加が確認できました。その後、予算の拡張や目標  ROAS を調整しながら販売数を 2.6 倍、売上を 2.9 倍に成長させるまでになりました。まだ手動で入札単価を調整されているキャンペーンがあれば、ぜひ、活用してみてください。



モバイルサイトのユーザー エクスペリエンス


「最適なメッセージ」を届けるということは、広告だけではありません。広告を通して生活者がたどり着くウェブサイトも重要な役割を占めます。せっかくモバイルでの Micro-Moments を見極めても、モバイルサイトでのユーザー エクスペリエンスが良くないと簡単にはコンバージョンには結びつきません。

ユーザー エクスペリエンスの悪いモバイルサイトで広告を運用することは、野球で例えるなら打率の悪いバッターをひたすら打席に送るようなものでしょう。基本的なモバイルフレンドリー施策を抑えた上で、モバイルサイトのユーザー エクスペリエンスを高めるための 25 の設計指針も併せてご確認下さい。

LIVESENSE では、ユーザー エクスペリエンス改善の結果、コンバージョン率(応募率)は 16.7 ポイントも改善され、モバイルからの応募数が昨対比で +40% も増加しました。


2. Micro-Moments を活かせたか効果を測定する


多くの方はオンラインでのラスト クリックのコンバージョンを効果測定の指標にされていることでしょう。現時点では弊社の自動入札機能もラスト クリックのコンバージョンを基準にしているのでこれは仕方がないかもしれません。

ただし、デバイスをまたいだコンバージョンは統計的に 95% の信頼がないとレポートに表示されません。つまり、この数字がレポートされているキャンペーンについては確実にデバイスをまたいでコンバージョンしている生活者がいるといえます。生活者のモバイルでの  Micro-Moments を的確により多く捉えるためには、まずは、オンラインでのラスト クリックのコンバージョンを超えて、推定合計コンバージョンのレポートを見ることから始めてください。


3. Key Takeaways


まずは可能な限りの自動化をしてください。ターゲット、広告、入札単価のすべてを自動化することが、Micro-Moments を効率的に活かすポイントになります。

そして、モバイル UX の最適化をしてください。素晴らしいユーザー エクスペリエンスを提供することが、Micro-Moments を最大限に活かすポイントになります。

最後に、アトリビューションを活用しはじめてください。ラスト クリックを超えたコンバージョンを考慮することが、これまで以上に Micro-Moments を適切に捉えるポイントになります。

次回は "Micro-Moments を活かしてリレーションシップを強化する" というテーマで、弊社パフォーマンスソリューション エキスパートの緑川から投稿します。


連載:「Google と考える Micro-Moments」- 他の記事はこちら


第 1 回: マーケターにとって見逃せない瞬間「Micro-Moments」とその活かし方
第 2 回: Micro-Moments を活かして認知を獲得し検討を促す
第 4 回: Micro-Moments を活かしてリレーションシップを強化する




*1 Google 調べ
*2 Understanding Shopping Cart Abandonment(ショッピング カートの放棄に関する分析)、Forrester Research、2010 年 5 月
*3 Google/Compete によるスポーツ用品に関する調査:(2011 年 9 月~2012 年 9 月)クリックストリーム BF02(アクセスしたブランドの数)
*4 Media Economy Report, Magna Global, 2014 年